|
| 1 | +--- |
| 2 | +title: リソースメトリクスパイプライン |
| 3 | +content_type: concept |
| 4 | +--- |
| 5 | + |
| 6 | +<!-- overview --> |
| 7 | + |
| 8 | +Kubernetesでは、コンテナのCPU使用率やメモリ使用率といったリソース使用量のメトリクスが、メトリクスAPIを通じて提供されています。これらのメトリクスは、ユーザーが`kubectl top`コマンドで直接アクセスするか、クラスター内のコントローラー(例えばHorizontal Pod Autoscaler)が判断するためにアクセスすることができます。 |
| 9 | + |
| 10 | +<!-- body --> |
| 11 | + |
| 12 | +## メトリクスAPI |
| 13 | + |
| 14 | +メトリクスAPIを使用すると、指定したノードやPodが現在使用しているリソース量を取得することができます。 |
| 15 | +このAPIはメトリックの値を保存しないので、例えば10分前に指定されたノードが使用したリソース量を取得することはできません。 |
| 16 | + |
| 17 | +メトリクスAPIは他のAPIと何ら変わりはありません。 |
| 18 | + |
| 19 | +- 他のKubernetes APIと同じエンドポイントを経由して、`/apis/metrics.k8s.io/`パスの下で発見できます。 |
| 20 | +- 同じセキュリティ、スケーラビリティ、信頼性の保証を提供します。 |
| 21 | + |
| 22 | +メトリクスAPIは[k8s.io/metrics](https://github.com/kubernetes/metrics/blob/master/pkg/apis/metrics/v1beta1/types.go)リポジトリで定義されています。 |
| 23 | +メトリクスAPIについての詳しい情報はそちらをご覧ください。 |
| 24 | + |
| 25 | +{{< note >}} |
| 26 | +メトリクスAPIを使用するには、クラスター内にメトリクスサーバーが配置されている必要があります。そうでない場合は利用できません。 |
| 27 | +{{< /note >}} |
| 28 | + |
| 29 | +## リソース使用量の測定 |
| 30 | + |
| 31 | +### CPU |
| 32 | + |
| 33 | +CPUは、一定期間の平均使用量を[CPU cores](/docs/concepts/configuration/manage-resources-containers/#meaning-of-cpu)という単位で報告されます。 |
| 34 | +この値は、カーネルが提供する累積CPUカウンターの比率を取得することで得られます(LinuxとWindowsの両カーネルで)。 |
| 35 | +kubeletは、比率計算のためのウィンドウを選択します。 |
| 36 | + |
| 37 | +### メモリ |
| 38 | + |
| 39 | +メモリは、測定値が収集された時点のワーキングセットとして、バイト単位で報告されます。 |
| 40 | +理想的な世界では、「ワーキングセット」は、メモリ不足で解放できない使用中のメモリ量です。 |
| 41 | +しかし、ワーキングセットの計算はホストOSによって異なり、一般に推定値を生成するために経験則を多用しています。 |
| 42 | +Kubernetesはスワップをサポートしていないため、すべての匿名(非ファイルバックアップ)メモリが含まれます。 |
| 43 | +ホストOSは常にそのようなページを再請求することができないため、メトリックには通常、一部のキャッシュされた(ファイルバックされた)メモリも含まれます。 |
| 44 | + |
| 45 | +## メトリクスサーバー |
| 46 | + |
| 47 | +[メトリクスサーバー](https://github.com/kubernetes-sigs/metrics-server)は、クラスター全体のリソース使用量データのアグリゲーターです。 |
| 48 | +デフォルトでは、`kube-up.sh`スクリプトで作成されたクラスターにDeploymentオブジェクトとしてデプロイされます。 |
| 49 | +別のKubernetesセットアップ機構を使用する場合は、提供される[deployment components.yaml](https://github.com/kubernetes-sigs/metrics-server/releases)ファイルを使用してデプロイすることができます。 |
| 50 | +メトリクスサーバーは、Summary APIからメトリクスを収集します。 |
| 51 | +各ノードの[Kubelet](/docs/reference/command-line-tools-reference/kubelet/)から[Kubernetes aggregator](/docs/concepts/extend-kubernetes/api-extension/apiserver-aggregation/)経由でメインAPIサーバーに登録されるようになっています。 |
| 52 | + |
| 53 | +メトリクスサーバーについては、[Design proposals](https://github.com/kubernetes/design-proposals-archive/blob/main/instrumentation/metrics-server.md)で詳しく解説しています。 |
| 54 | + |
| 55 | + |
| 56 | +### Summary APIソース |
| 57 | + |
| 58 | +[Kubelet](/docs/reference/command-line-tools-reference/kubelet/)は、ノード、ボリューム、Pod、コンテナレベルの統計情報を収集し、[Summary API](https://github.com/kubernetes/kubernetes/blob/7d309e0104fedb57280b261e5677d919cb2a0e2d/staging/src/k8s.io/kubelet/pkg/apis/stats/v1alpha1/types.go)で省略して消費者が読めるようにするものです。 |
| 59 | + |
| 60 | +1.23以前は、これらのリソースは主に[cAdvisor](https://github.com/google/cadvisor)から収集されていました。しかし、1.23では`PodAndContainerStatsFromCRI`フィーチャーゲートの導入により、コンテナとPodレベルの統計情報をCRI実装で収集することができます。 |
| 61 | + |
| 62 | +注意: これはCRI実装によるサポートも必要です(containerd >= 1.6.0, CRI-O >= 1.23.0)。 |
0 commit comments